編集部のオススメ記事

　「誰もが生の音楽に触れていただきたい」。ソプラノ歌手の松永知史（ちふみ）さんが素朴な気持ちから始めた「みんなで楽しむコンサート」。５回目の今年は８月11日（木・祝）13時から横須賀市文化会館大ホールで開催される。
横須賀市出身の松永さんは、桐朋学園大学を卒業後、沖縄県立芸術大学大学院修了。その後、ドイツ・ミュンヘンに留学、ヨーロッパを中心にソプラノソリストとして10年ドイツで過ごし、活躍した。
家庭の事情で帰国した際に県立武山養護学校で３年の教員生活を経験した。その時に知的障がい者の中にはクラシック音楽が大好きな子もいるのにコンサートに行ったことがない。公共施設のホールには身体障がい者に対して車椅子席が用意されるが、知的障がい者を介助している方はマナーを心配して連れて行かない。そのため出張コンサートの経験しかない。この現状を知り、「敷居の高いホールに行かなければ聴けない音楽を誰もが聴くことができる場を横須賀につくりたかった」。　
この思いに多くの方が賛同、協賛も実行委員会も地域の方の手で実現した。障がい者の家族からは「家族で来られたことが嬉しい」と寄せられ、幅の広い交流が生まれた。聴こえてくる声も音も全てがセッションのように、演奏者も聴衆も一緒につくりあげる笑顔のコンサートだ。
当日は「サウンド・オブ・ミュージックメドレー」、ドビュッシー「月の光」他を美しい歌声の松永知史さん、クラリネットをN響首席クラリネット奏者松本健司さん、多くの国際コンクールで入賞、東京藝術大学教授のピアニスト、東誠三さんと共に進行する。

〈問い合わせ〉みんなで楽しむコンサート実行委員会
minconyokosuka@gmail.com