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2025.06.27

Hello Leaf Art World in Yokohamaリト@葉っぱ切り絵展in横浜みなとみらい(2025年6月号中区・西区版)

Hello Leaf Art World in Yokohama<br>リト@葉っぱ切り絵展in横浜みなとみらい<br>(2025年6月号中区・西区版)

 「昔から集中力だけはあったんです。食事の時、魚の小さな骨まで全部取らないと気が済まなかったりして、よく母から“冷めちゃうからそんなことしてないで早く食べなさい!”って怒られてました(笑)。普通の仕事じゃなく緻密、細かいことをする方が自分には合っているんじゃないかと思って、ただ病気のことを発信するのではなく、絵で発信しようって切り替えたんです。初めはねんどや紙袋なんかにびっしり絵を描いてSNSにアップしました。才能があった訳じゃない。ゼロからの挑戦の方が、見る人たちにとっても励みになるんじゃないかなって。自分の得意な部分だけ注目して、苦手なことはやめる。努力の方向性を変えただけなんです。

 だんだん注目されるようになってきて、そのうち海外の方が葉っぱ切り絵をあげているのを見て、やってみたら楽しかった。でも実写的な作風が多かったんです。僕は絵がそんなに得意じゃないから、人間は下手だったし、動物もリアルなのは下手なのがばれる。これじゃプロになれないなと思いました。皆からすごいなと思われるにはどうしたらいいかって考えて、今みたいなシンプルな動物をモチーフにしました。できない中で苦肉の策で生み出したんです。  おかげさまで葉っぱ切り絵を始めて1年くらいで本を出版することができました。皆さん僕が思っている以上に感じてくれる。怒られて注意されることが多くて、褒められることとか感謝されることとか乏しかったから、今は、こんなに幸せなことは無いんです。だから人の助けになろう、人に感謝されることをやろうって思ってます。

 病気なんだって分からなかったら、今でもどこかの会社で怒られていたと思います。人生を変えるきっかけになりましたね。葉っぱ切り絵を始めて5年ちょっとになるんですけれど、今までいろんな人に助けてもらいました。皆が僕のできないことをやってくれる。自分ひとりじゃできないですよ。これからは海外にってぼやっと考えていたんですけれど、今はインバウンドがすごいじゃないですか?だからもっと日本ならではの魅力が伝わるような作品に取り組んでいきたいですね。ひらがなや桜を入れるとか、あと文化の違い。例えば〝頂きます〟って単語は欧米には無いんですよ。〝日本らしさって何だろう〟って考えて、作品に取り入れていくのを、今年1年の目標にしたいですね。僕の作品が日本に海外の人を呼び込むきっかけになればいいと思っています」。

 新作〝行き先は潮風の吹くまま、気の向くまま〟ほか、横浜の街並みを巡る人気シリーズ〝葉っぱの小旅行〟などを多数展示。

新作「行き先は潮風の吹くまま、気の向くまま」

「行き先は潮風の吹くまま、気の向くまま」

葉っぱの小旅行inチャイナタウン

「葉っぱの小旅行inチャイナタウン」

葉っぱの小旅行inみなとみらい

「葉っぱの小旅行inみなとみらい」