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2025.09.25

横浜美術館リニューアルオープン記念展
佐藤雅彦展「新しい×(作り方+分かり方)」(2025年9月26日号中区・西区版)

横浜美術館リニューアルオープン記念展
佐藤雅彦展「新しい×(作り方+分かり方)」(2025年9月26日号中区・西区版)

ピタゴラスイッチやあのCMも
佐藤雅彦氏をご存じだろうか?〝ピタゴラスイッチ〟〝バザールでござーる〟〝ポリンキー〟〝スコーン〟。これら全ての生みの親である。40年にわたる創作活動の軌跡をたどる世界初の大規模個展が開催されている。

「作り方を作る」独自の発想
佐藤氏の創作の根底にあるのは、世の中のさまざまな事象(お菓子などのCMや数学の問題などの全て)をいかに〝分かるように伝える〟かを目標として、その伝え方のメソッド、〝作り方〟を作ることから始めているということに一貫している。佐藤氏の数ある言葉の中でしばしば目にするのが「私は作り方を作っているんです。作り方が新しければ、出来たものはおのずと新しいものになります」という言葉だ。

ものごとの考え方を教える(伝える)
慶応義塾大学に教授として召喚され、講義や研究室で自分のやってきた背景を言語化する必要があった時、次のような言葉が自然と出てきたという。〝どうしたら あることを 伝えることができるのか〟〝どうしたら あることを 分かってもらえるのか〟これこそがやりたいことの本性だったと述べている。それを現実に達成するための方法が〝作り方を作る〟だった。

表現が行動や思考を変える
表現されたものを通じて〝分かる〟にとどまらず、新しい行動や思考へとうながすことも、佐藤氏の目指すところ。自身の創作を 〝コミュニケーションデザイン〟と総称するゆえんもここにある。多様な作品とその〝作り方〟の実例を通して、創作の根底にある佐藤氏ならではの〝考え方〟を垣間見る。
2階から階下にある“計算の庭〟を眺めると、人は見た目の印象で行動してしまうこと。目的の達成が見えるとモチベーションが上がる〝目的勾配〟が起こることなどが俯瞰で確認できるのも興味深かった。

会期:11月3日(月・祝)まで
開館時間:10時~18時(入館は閉館30分前まで)
休館日:木曜日
問い合わせ:045-221-0300
※本企画展ご入場には日時指定券が必要
ご好評につき10・11月土曜日に夜間開館の実施